株式会社VETS TECH(本社:神奈川県横浜市、CEO 小出 健人)とXM&A and COMPANY(本社:東京都世田谷区、CEO 小川 篤志)は、動物病院従事者 計177名を対象に、動物病院での実習・見学における意識調査を実施しました。本調査では、VETS TECH登録者を対象に、それぞれのインサイトを分析。これまで見えなかった対象者ごとの志向や求める情報へのギャップが明らかになりました。【調査概要】調査対象:動物病院院長・勤務獣医師・動物看護師対象数:177名(院長:74名、勤務医:63名、看護師:36名、その他病院スタッフ:4名)調査方法:インターネット調査調査時期:2025年7月調査結果サマリー実習先を選ぶ際に重視する観点には、獣医師と看護師で差がある勤務医や看護師は、勤務条件の他に「院長・スタッフの人柄」を重視。一方で院長は、自身の人柄が重視されているとは感じていない傾向に勤務医が重視するポイントには男女差あり実習時、求職者は何らかの苦痛を感じており、その多くはコミュニケーションや役割不足に関するもの実習先を選ぶ時に重視するポイントは、獣医師と看護師で傾向が異なる実習先を選択する際に重視したポイントは、立地や通いやすさが全セグメントで上位となりました。立地以外の重視ポイントを見ると、獣医師と看護師で傾向が異なることがわかりました。【獣医師の選択基準(複数回答)】症例数や診療内容の豊富さ:57.1%病院の雰囲気(HP・SNSの印象など):52.4%教育・指導体制:39.7%【看護師の選択基準(複数回答)】病院の雰囲気(HP・SNSの印象など):88.9%教育・指導体制:50.0%症例数や診療内容の豊富さ:38.9%看護師は、およそ9割が「病院の雰囲気」を重視していることがわかりました。実習先の比較検討の段階から病院の雰囲気を想像していることから、それを想起させる媒体(HP、SNS等)があるほど看護師の実習先として選ばれやすい可能性があります。特にリアルな日常や院内の様子がわかるほど雰囲気を想像しやすいため、SNSや病院ブログといった動的なコンテンツが重視されているかもしれません。獣医師は症例数や診療内容を重視する傾向がありました。獣医師に対しても、こうした情報提供は重要です。HPにおいて、飼い主さま向けのページだけでなく、求職者向けページを制作するなどして、自院の症例の幅広さや特長を伝えることで実習先として選ばれやすくなるかもしれません。勤務医が実習中に知りたいこと1位は「勤務条件」。その後に「院長の人柄」、「医療レベル」が続く次は、実習先を選んだ後に「実習で何を知りたいか」についても回答を得ました。見学・実習で病院に行ったときに、「自分が最も知りたい/確かめたい」と思うことは?(最大3つまで)勤務医が実習中に最も知りたいこととして最も多かったのは「勤務条件(休み、給与、労働時間など)」で58.7%でした(複数回答可)。実習前にも提示されているはずですが、実習中に同僚となるスタッフとも会話して確かめたいという意図があるのかもしれません。次に多かったのは「院長の人柄」(55.6%)。師事することになる院長先生の人柄は医療技術よりも重視されていることがわかります。後述しますが、院長先生は「自分の人柄」がそれほど重視されていないと感じているようで、ここにギャップがあることがわかりました。3位にあがったのは「医療技術のレベル」(44.4%)でした。僅差で「スタッフ間のムード」(41.3%)が並びますが、興味深いことに、同様の選択肢を示した「最大の決め手になったのは?(単一回答)」では、スタッフ間のムードが上回る結果となっています。男女で重視するポイントに差。女性勤務医は「勤務条件」と「院長の人柄」。男性勤務医が最も重視するのは「医療技術のレベル」。だが、男性はそれが決め手にはならない男女で重視する観点に違いがあることもわかりました。男性勤務医は、60.0%が「医療技術」を選択しており、「勤務条件」を上回る結果となっているのに対し、女性勤務医は「勤務条件」(64.9%)と「院長の人柄」(62.2%)を選択しています。「このうち、最大の決め手となったのは?」についても、同じ選択肢を提示して回答を得ました(単一回答)。女性勤務医は複数回答時と上位に変化はないものの、男性勤務医は「医療技術のレベル」は大きく下がり、5位となっています。男性の1位は「院長の人柄」でした。複数回答時では4位にあった「院長の人柄」が、結果的に最大の決め手となっているという興味深い結果となりました。医療技術レベルを確かめたいという動機で実習しに行くものの、決め手となるのは男女問わず「院長の人柄」であることがわかります。求職者と院長との1on1面談や実習後の会食などで、お互いの人柄を知ることができる機会を持つことが大事と言えそうです。動物看護師が実習中に知りたいことの1位は「勤務条件」で勤務医と同じ。2位以下が異なる次に、看護師にも「実習中に知りたいこと」について質問をしました。画像にある選択肢の並び順は勤務医と看護師で同じですが、この順番にも大きな違いがあることがわかります。同じ質問を看護師にも聞いたところ、1位は「勤務条件」(61.1%)で勤務医と同じであったものの、2位は「スタッフの人柄」と「スタッフ間のムード」(いずれも52.8%で同率)が並びました。次点で「院長の人柄」(41.7%)となっており、より一緒に働く人たちを知りたいというニーズが隠れていそうです。このためには、スタッフと密にコミュニケーションを取れる意識的な工夫が求められます。後述しますが、実習中の苦痛を感じる場面では初対面のスタッフたちとの会話に難しさがありそうです。一緒に話す場面や話題をあらかじめ用意しておくことも重要です。院長が考える「重視されていると思うこと」とのギャップも浮き彫りに同じ選択肢で、院長が考える「求職者に重視されていると思うこと」では、求職者側の意見と大きなギャップがある点もわかりました。特に大きな差があったのは以下の通りです。(ギャップ指数は、求職者の意見に対する院長の意見を±で表記)院長の人柄(-22.1pt)スタッフ間のムード(18.8pt)教育体制やサポートの有無(14.6pt)実習生への対応(10.9pt)顧客対応(-8.3pt)実は求職者に重視されている...。マイナスのギャップで大きいのは「院長の人柄」と「顧客対応」特に、マイナスのものには注意が必要です。マイナスで表記されているものは、「求職者は重視しているが、院長はそれほど重視されているとは感じていない」という指標です。院長の人柄については特に顕著なギャップがあり、院長自身は「自分の人柄はあまり気にされないだろう」と感じているものの、実際には求職者の過半数が重視しています。そのほかにも「顧客対応」にもマイナスのギャップがありました。母数は多くないものの、求職者は院長が考える以上に顧客への対応・接遇を見ているようです。そこに病院のホスピタリティであったり事業運営方針などを感じ取っているのかもしれません。求職者が実習時に感じる苦痛と感じる場面では、「休憩時間」がトップ求職者に、実習において苦痛だと感じた場面について質問をしたところ、「特に感じなかった」と回答したのは3割に留まりました。苦痛を感じた場面でトップだったのは「休憩時間」(28.2%)。後述する自由回答でもある通り、休憩時間というフリーな空間においてのコミュニケーションや振る舞いに難しさがあるようです。一方で、「手術の見学中」(7.8%)は低く、何らか見るべきものが明らかな状況(手持ち無沙汰になりにくい状況)では苦痛と感じにくいのかもしれません。具体的な「苦痛」と感じた場面の自由回答初めての場所と初めての人たちで不安があり、間が持たないスタッフに話しかけた方が良いのか、話しかけない方が良いのかわからなかった何をしたら良いかわからず、ただ立っていただけの時どうコミュニケーションを取れば良いのかわからず気疲れした休憩中も気を張ってしまい、疲れたアウェイ感があり、歓迎されていないと感じた自由にして良いと言われたが、何をしていいか分からず困ったスタッフ間の関係性が微妙で気まずかった苦痛に感じる具体的なエピソードは「コミュニケーション」と「手持ち無沙汰」自由回答をカテゴリ分けしてみると、以下のようになりました。コミュニケーションやムードに関する不安が上位に上がっています。求職者にとっては初めての場所で初めて会う人たちがいる中で、どのようにコミュニケーションを取るのが良いかわからず、不安な体験となっているようです。病院によっては、実習者の年齢やキャリアに近い専属の対応者を設け、ひとりぼっちにさせない工夫などをしているケースもありますが、「何でも話しかけても良い人」の役割を一人作っておくだけでも、求職者はだいぶ安心できるかもしれません。同時に「手持ち無沙汰」についても多くの方が理由として回答しています。院長としては「実習なのに手伝わせたら悪いかな?」と思うかもしれませんが、実習に行ってもただ立って見ているだけ、という状況は、邪魔者感や疎外感を感じやすく、逆に何か単純なことでも手を動かすことでそうした心象の解消ができそうです。苦痛を感じやすい状況を重点的にケアすることで、お互いにとって実習が有意義なものになるはずです。「良いと感じた実習」は、苦痛と感じた理由の裏返し。話しやすい雰囲気や実践参加ができたケースが好まれる逆に、良いと感じた実習は、苦痛と感じたエピソードの裏返しで、スタッフが丁寧に案内してくれたり話しかけてくれたといった回答が多く見られました。また、診療の補助となるような実践的な手技に参加できたことが良かったと感じる求職者も多く見られました。雇用関係にはないため、手技としての参加は難しかったとしても「この症例についてどう思う?意見を教えて」など意見を求められたり頼られる場面があることでも、実習満足度に貢献するかもしれません。院長が、見学後に「この実習生と一緒に働きたい(雇用したい)」と思ったのはどのような時?回答に傾向は見られませんでしたが、トップは「スタッフとのコミュニケーションが円滑だった」の回答でした。求職者もコミュニケーションを求めているものの、それがうまくいかないというペイン(苦痛)がある中、院長はスタッフとの相性を重視しているというギャップに糸口がありそうです。特に苦痛を感じやすい休憩時間に、双方が円滑にコミュニケーションを取りやすい配慮(会話ゲームなどでも良い)があると、お互いに見たいポイントが見えてくるかもしれません。動物病院長が思う「失敗したと思う実習」は、「忙しくてケアできなかった」や「暇すぎて見せるべきものが少なかった」など「失敗したな」と思ったエピソードについても自由回答を得ました。忙しすぎて実習者への対応が不十分だった。本人の話を聞く機会が作れなかったエマージェンシー対応で丁寧にコミュニケーションを取ることができなかったとても暇な日で、見せ所が少なかったお互いが思っていることをうまく伝え合うことができなかった時実習生の前でスタッフとけんかしてしまったお互いあまり喋らず終わってしまった診療時間に実習を行うことから季節やその日によって忙しさが変わり、ほどよい忙しさでない場合には「うまくいかなかった」と感じる方が多いようです。本当は話したかったが忙しくて話せなかったという院長のホンネと、「院長の人柄が知りたい」という求職者のインサイトのギャップを埋めるための工夫が必要とされていそうです。【まとめ】どんな実習をデザインすると良いのか?VETS TECHとXM&A(てんま)は、本調査結果の公開とディスカッションを目的に動物病院従事者向けセミナーを行いました。聴講者からは活発な意見とアイデアが寄せられました。セミナーにて議論されたアイデア一人ぼっちにさせないために担当者を設ける具体的な役割を作って一緒に手を動かす実習だけでなく、食事に誘ってお互いの人柄を知る機会を作るお昼休みにコミュニケーションが取れるよう、トークが弾む仕掛けを用意するアルバイトとして1日だけ雇用するのはどうかお互いを名前で呼べるように名札をつけるお互いに「合わないな」と感じた時に終了できるタイミングを設ける3,000名を超えるコミュニティを運営中VETSTECH およびXM&Aでは、こうした動物病院における新たな工夫を探る無料オンラインコミュニティ「小川篤志の戦略企画クラブ」を設けており、3,000名を超えるコミュニティ参加者に対し、情報発信とクローズドセミナーを不定期で開催しています。当該コミュニティは以下のリンクからご参加ください。【VETS ManaViva について】https://vets-tech.jp/2023/08/01/pr-vets-manaviva/22056/XM&A and COMPANYについてXM&A and COMPANYは、獣医師の獣医師による獣医師のためのM&A・事業承継支援サービスを提供しています。詳細は、当社公式ウェブサイトをご覧ください。